勉強法 09 -数学の攻略法 ①-

勉強法 09 -数学の攻略法 ①

キクチアカデミー塾長日記

こんにちは。合同会社SILKORZ(シルカーズ)運営の学習塾・大学受験予備校キクチアカデミー塾長の菊池です。ここまでの記事では、主に勉強をする際の土台である「思考法」について説いてきましたが、ここからは、いよいよ各教科別の具体的な学習メソッドを紹介してゆこうと思います。まずは、おそらく受験生の大半が苦手意識を持ち、苦労するだろうと思われる「数学」の攻略法から記します。

さて、勉強に対する「ヤル気」はあるし、「時間」も確保したし、「良質な教材」までをも準備したという前提で机に向かったけれども、それでも思うように捗らないというパターンの多くは、「あるページ(項目)から、頑張っているけれど理解が出来なくなり」→「それより先へ進めず」→「やがてヤル気も減退し」「自信も喪失」→「そのまま頓挫」、という流れであろうと思われます。………ツライですよね。ヤル気はあるのに思うようにいかない絶望感と無力感。よく解ります。なにせ、かくいう僕自身がそれを経験していますので(苦笑)。では、そんな状況を僕がどうやって打破したのかといいますと、答えはいたって簡単です。「理解しようとするのをやめる」ことです。無理に理解しようとするからツライのです。それならば、さっさと諦めて別の手段を考えましょう。そして、その手段の一つこそ、「必殺!とりあえず丸暗記作戦!」です。将棋や囲碁の格言に、このような言葉があります。「下手の考え休むに似たり」―――つまり、解らない問題や文章を、ずっと「うーん、うーん」「えーと、えーと」と悩み続けたところで、一見、その悩みもがく姿がさも賢そうには見えたとしても、実際はただただ時間を浪費しているだけで結局何も出て来やしない、甚だ不毛で愚かな行為、という意味です。何故、出てこないのでしょうか?単純明快です。頭の中の情報量(知識)が不足しているからに他なりません。人間の脳というのは、まずインプットした情報が蓄えられ、そしてそれが有機的にリンクし、そこから新たなものが「ひらめき」「アイデア」という形で生み出さるという仕組みです。すなわち、知識も何も無いのに考えるというのは、駒の動かし方も知らないのに将棋の戦術を考えるような無謀さであるといえます。さらに例えて言えば、かの偉大な空手家の名言「技は力の中に在り」と同様に、基礎体力(知識)も無い弱々しい人が、いきなりスポーツや格闘技の試合(応用問題)に挑戦するようなもので、それはもはや「技術や戦術、以前の問題」なのです。

ここで誤解されたくない大事なポイントは、「考えなくていいから、とにかく棒暗記せよ」などと言っているのでは決してなく、あくまでも「考える為の材料として、まずは暗記せよ」と言っているのだという事です。あるテレビ番組でこんなシーンがありました。天才科学者であるアインシュタインの「知識よりも大切なのは想像力である」という名言を受け、スタジオのタレントさんの一人が「なるほど。頭が悪くても、想像していれば何かが生まれるという事ですね」という事を言った直後に、ゲストのノーベル物理学賞受賞者・益川敏英博士に「いいえ、基本的には知識です。知識が無ければ、何も出てきません」と窘められてしまったのです。その意味するところこそ上述した理論と全く同じで、アインシュタインは知識「より」想像力、つまり知識はもちろん大事だけれど、それを活かす想像力が無ければただの頭でっかちで終わる、と言っているに過ぎず、そもそも知識が無ければ想像力にすら到達しない、と益川博士は仰っているのです。そう「暗記が理解を生む」のです。解らなければ、無理して悩み続けずに、とにかく暗記です。―――本当なら、ここで文章を終わらせようと思っていたのですが、中には「いやいや、ただ暗記するだけで理解が出来るのなら苦労はしないよ(苦笑)」と、まだ疑っている方もいるかもしれませんので、最後に記します。騙されたと思って以下のゲームを試してみて下さい。それは、「絶対に理解してはいけない」という厳重なルールを自分に課した上で、「難しい本をひたすら暗記するまで何度も読む」、「アメリカ人とひたすら英語でコミュニケーションをとり続ける毎日を送る」、「将棋の対局をひたすら観戦し棋譜を丸暗記する」―――しばらくすると、あなたは絶対にルールを破り、その本に書かれている内容を理解したくもないのに理解してしまい、知らず知らずの内に英語を聴き取れるようになってしまい、将棋のルールまでをも解ってしまうことでしょう。何故ならば、「暗記が理解を生んでしまうから」なのです。


難解な抽象概念を恐れることはない、最初は全てを理解しようとしないで、小説を読むように進みなさい。


20世紀最大の論理学者 / クルト・ゲーデル

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