風疹予防接種3年間なぜ無料に?
国立感染症研究所がまとめた風疹の患者数は2千人を超えたと発表しました。
2017年は93人だったのに対して26倍にも上がっています。
感染リスクが特に高いのが39~56歳の男性を対象に2019年の春から3年間、免疫の有無を調べる抗体検査とワクチン接種を原則無料にすると発表しました。
風疹はどんな病気なの?
風疹はウイルスが引き起こす感染症で、発熱や発疹、リンパ節の腫れといった症状があり、咳やくしゃみにより感染が広まります。インフルエンザよりも感染力が強いとされており、一人の患者から5~7人に感染します。予防接種により、感染はほぼ防ぐことができ、2回接種することで確実に抗体ができ効果が高まります。
なぜ無料化が必要なの?
ワクチンの接種は最大で1万円、抗体検査は約5千円の費用がかかります。風疹に罹患しないためには、病院といった市場に行き予防接種サービスを自発的受ける必要があります。本来は料金を支払い「予防」という予防接種サービスを受けることができます。自らが一定額を支払い風疹に対する予防接種サービスを受けた場合は、その個人は、感染症に罹患しないという便益を得ることができます。同時に、予防することにより人に感染させることはなくなり「風疹の流行を抑える」といった便益を社会全体に及ぼすことになります。
しかし、この「風疹の流行を抑える」という便益は、料金をとるのが厳しいのが現状です。なぜならば、病院は、個人が「風疹の流行を抑える」といった便益を供給したと客観的に証明できないからであります。そのために風疹の予防接種を受けることが出来ない人達が出てきてしまい、風疹は流行し、感染リスクが高まる恐れがあります。
風疹の対策を講じるには、予防接種を受けてくれる人達を増やすことであり、また、社会的損失を減らすことであります。
政府が介入し供給者に対し代わりに支払い、原則無料にして予防接種サービスを受けてもらうことにより、風疹の流行を抑える事ができます。