日本のホップ農業とビールのはなし

今回は、サフランの研究で活躍している、フードコーディネーターで調理師の伊藤真紀子様を取材し、日本のホップ農業とビールに関してお話をお伺いしましたので紹介したいと思います。

日本のホップの産地は秋田県、岩手県、山形県が主な産地で、世界のホップ産地を現す「ホップベルト」と言われる、北緯35~55度に位置する産地ベルトの中にあり、その産地の殆どのホップは、大手ビール会社の契約として栽培されています。

しかしながらそんなホップ農業も他の農業と変わらず近年、高齢化に伴い生産者の減少が進んでおります。さらに、緊迫する外交問題の影響で、不安定な重油の価格が来年以降さらに値上がりすることもあり、ホップの乾燥の加工燃料の石油の価格が高騰することで、ホップ栽培の継続が厳しい状態になることが予想されます。

日本のビールの需要に関しては、このところ若者のビール離れが進んでいると言われてきましたが、近年急激にクラフトビールが流行し、若者も含めて幅広い世代において、クラフトビールの産地とブルワリーに対する注目とクラフトビールの個性の付加価値を求める流れが日本だけでなく世界の流れにリンクしています。

また、クラフトビールは、比較的小規模な施設と設備で初期費用も安く醸造できることから、近年、地方だけでなく都心でもブルワリーが増えて、自家製クラフトビールを提供するレストランを併設する動きも多くなりました。

実はその流行とは裏腹にクラフトビールの製造事情としては、他の醸造酒より比較的原価率が高く、提供の仕方の形態で幅はありますが、原価率60%~80%と言われています。事業維持のためには、小規模設備ながらも大量に生産量を増やして販売する工夫と併設レストランでの食の提供やイベントキャンペーンの強化など、増加する需要に応えて製造過程にストーリー性のある付加価値をつけたり、販売においてもプロモーションの個性が重要視されてきています。

また、日本のクラフトビールの製造においては、ブルワリーの9割以上が原料のホップを輸入物のドライホップまたは加工ホップペレットを使用していて、生のホップを使用しているブルワリーは殆どなく、数%のブルワリーで自家製ホップを作り、輸入ドライホップや加工ホップペレットにブレンドして個性的な製造付加価値を作って商品化してます。

現在の日本のホップ農業とクラフトビール業界の問題を掘り下げながら、日本んのホップをこれまでの大手ビール会社の契約農業に留まることなく、ホップと廃棄されてきたホップの葉の食材化や健康食品としての価値を探ることで、新たな付加価値を提供して日本のホップ農業とクラフトビール業界やその他の食のジャンルにおいても可能性を広げられたらと思っております。

SAFFRON DIRECTION.
伊藤 真紀子

 

私たちは、伊藤真紀子様と共にホップの商品化に向けて研究を続けていきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。

合同会社SILKORZ
代表社員 大峯 光宏

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